皆さんが空き巣の手口としてパッと思い浮かぶのは、窓を割って押し入る方法ではないでしょうか。実際に、警視庁の調べ(「平成29年中の住宅対象侵入窃盗の発生状況」より)によるとガラスを割って家に押し入るガラス破りという方法で、空き巣に入られるパターンが半分以上を占めています。
窓からの侵入を防ぐ防犯対策として、防犯ガラスとシャッターの設置は効果的です。では、実際にはどちらがより効果的に防犯対策ができるのでしょうか。「防犯対策を取り入れる場合の費用は？」「どんなメリットデメリットがあるの？」とさまざまな疑問や不安があるでしょう。大切な住まいと家族を守るものですから、よく吟味して選びたいですよね。
ここでは防犯ガラスとシャッターの特徴や違い、費用などをご紹介していきたいと思います。ご自身のお住まいやご家庭では防犯ガラスとシャッターどちらが適しているのか、是非検討してみてください。
目次
防犯ガラスとシャッターの特徴や設置費用の違いは？
防犯ガラスとシャッターはどちらも窓からの侵入を防ぐ効果のあるものですが、さまざまな特徴や違いがあります。防犯ガラスとシャッターについて、詳しくみていきましょう。
防犯ガラスの特徴と設置費用
窓からの侵入を防ぐ……。単純に考えると、割れないガラスにすれば空き巣や忍び込みといった泥棒の対策になりますよね。
防犯ガラスは、2枚のガラスの間に強靭な膜や特殊な板を挟み込んだもので、普通のガラスに比べ、割れにくい構造になっています。ガラスを割って侵入しようとする場合は時間がかかり、侵入を断念させる効果があるといえます。
防犯ガラスの特徴としては、窓自体に防犯機能があるため、窓を閉めるだけで防犯対策になるでしょう。また、見た目にも普通のガラスとあまり変わらないため日当たりも確保でき、お部屋の雰囲気を邪魔することはありません。割れたときに大きな音がするものや、防犯ガラスステッカーが張られている防犯ガラスもあり、窓からの侵入への抑止力にもなるのです。
設置費用は特殊フィルムの厚さや性能などによって違いがありますが、1平方メートルで約2万円～とされています。窓が多いご家庭で全てを防犯ガラスに入れ替えるとなると少し出費は多くなりますが、しっかりとした防犯対策ができるなら安心ですよね。
シャッターの特徴と設置費用
シャッターは見た目にも侵入しにくい印象を与え、破って入ることも困難なため、窓の防犯対策にも多く使われています。また、窓ガラスの保護効果も期待できるので、台風など災害の備えにもなるでしょう。
シャッターには手動式と電動式があります。手動式シャッターを開けて室内に侵入するには手間がかかりますし、電動式シャッターは開けること自体難しく、どちらも防犯の効果はあるといえますね。しかし、手動式のものは、手間がかかるといえど電動式よりも薄く軽量化されているものが多く、防犯面においては電動式の方が効果を期待できるのです。
電動式シャッターは頑丈に作られているものが多く、リモコンなどで操作できるため誰でも簡単に開閉できます。また音も静かなため、早朝や夜中に開閉しても近所迷惑になることもありません。不在の際もタイマーを設定し、開閉させることも可能ですので不在であることが外部に分かりにくいという効果も期待できます。
シャッターの価格も性能や大きさによって差はありますが、手動式では8万円程度、電動式では16万円くらいから販売されているようです。
防犯ガラスとシャッターのどちらを設置しよう……
では、防犯ガラスとシャッター、どちらを設置すればいいのでしょうか。どんなところを重視するかによって、どちらを設置するか決めるとよいでしょう。
コスパやデザイン重視派は防犯ガラス
シャッターを取り付けると、やはり気になるのが見た目ですよね。窓をがっちりガードされているイメージで、ガラスの窓は開放感があっていいと思う方も多いと思います。家のデザインを重視される方はインテリアや外観を邪魔しない防犯ガラスを選ばれるといいでしょう。
また、電動シャッターは本体自体も防犯ガラスより高額でランニングコストもかかるため、コスパを重視される方にも防犯ガラスはおすすめです。
機能性重視派はシャッター
機能性でいうと、シャッターが優れています。とくに、電動シャッターはモーターで作動しているので、基本的にモーターが作動しないとシャッターが動くことはありません。また、窓を開けずに開閉できるため、防犯性能を重視する方には最適です。
電動シャッターは電気の力で動いているので、停電のときに家から出られないのではと不安に思われる方もいらっしゃると思います。最近の電動シャッターのなかには、停電すれば手動に切り替える機能がついているものも多くありますので、停電のときでも安心です。
防犯ガラスとシャッター以外にどんな対策があるの？
防犯ガラスやシャッター以外にも、さまざまな防犯対策があります。防犯ガラスもシャッターもいいけれどもう少し手軽に対策したいという方や、それ以外の防犯対策にも取り組みたいという方に、おすすめの防犯対策をご紹介します。
防犯砂利を敷く
防犯砂利をご存知でしょうか。防犯砂利とは、普通の砂利より大きめの粒で、その上を歩くとジャリジャリと音がするのが特徴です。庭などにひいておけば、空き巣が侵入する際に大きな音が鳴るため、犯行を断念させる効果が期待できます。
また、見た目も清潔感があり、雨が降っても靴が汚れることもありません。雑草も生えにくくなるので、お庭のお手入れと防犯の一石二鳥です。
防犯性が高い鍵にする
防犯性の高い鍵に替えることは、ピッキング被害に効果があります。今は、鍵自体が複雑な構造になっており、容易には開けられないようになっている防犯機能の高い鍵が多くあるのです。また、鍵自体にロックの機能があるものもあります。ただし、構造が複雑なため、合鍵も以前の鍵のように簡単には作ることができないので注意が必要です。
また防犯性の低い昔のシンプルな鍵のままであれば、新しい鍵に変えてみるのもいいかもしれません。
センサーライトを設置する
センサーライトとは、人やものに反応して自動的にライトを点灯させる人感センサーや熱センサーなどを内蔵したライトです。侵入者がいた場合、ライトで照らされるので防犯に役立ちます。また、点灯と消灯が自動で行われるのでライトの消し忘れもなく、便利です。ソーラーパネルを導入したものもあり、エコな商品もあります。
防犯対策は組み合わせるほど効果的！
防犯砂利をひくのも、ひかないよりは確実に効果はあります。しかし、砂利だけで大丈夫かな？と不安に感じる方もいることでしょう。たしかに、すんなりと侵入できる家よりも、空き巣が犯行を断念するような仕組みがたくさんある方がより効果的ですよね。
ひとつの対策だけで防犯性を高めるのは難しい……
対策は、できるだけ多く組み合わせた方が効果は大きくなります。防犯ガラスとシャッターを組み合わせればより大きな効果が見込めますが、予算的に厳しいという方もいるでしょう。予算や家のスタイル、立地なども考慮して、できることから始めてみてはいかがでしょうか。
シャッター設置する場合はプロに相談しよう！
シャッターを設置する場合は、まずはプロに相談してみましょう。それぞれの機能やデザイン、予算など必要としている防犯対策を発見できる近道になります。
また、費用に関しても種類によってさまざまですから、できるかぎり複数の業者に相談し、見積りをとって設置にかかる費用を比較してみるとよいでしょう。
まとめ
防犯ガラスと防犯シャッター、あなたのご家庭に最適な防犯対策はどちらかイメージできましたか？大切なお住まいと家族を守るための防犯対策、じっくり吟味して自分にあった防犯対策をおこなってみてください。
対策の効果はさまざまですが、1つよりも2つ、2つよりも3つといくつも対策しておく方が安心です。無理のない範囲で、できるだけの防犯対策をおこなってみてくださいね。
