毎日使用するシャッターには、家を雨や風から守るだけでなく防犯効果もあります。そんなシャッターも何年か使用するにつれて開閉がおこないづらくなるといった不具合が出てきます。この原因のひとつに、シャッタースラットの歪みや凹みがあります。
もしお使いのシャッターの調子がよくないなら、何が原因であるかを調べてみましょう。ここからは、シャッターの調子がよくないときの応急処置やメンテナンス方法について、交換費用を下げる裏技についてご紹介します。
シャッタースラットの不具合と原因
シャッタースラットとは、シャッターの面となる部分のことです。この部分は、一見すると面のように見えますが、横に長い板のような部品が何枚も連なっています。
開け閉めする際、スラット部分に不具合を感じたら、次のような原因があるかもしれません。ここからは、フラット部分に起きる不具合やその原因についてご紹介します。
【その1】スラットが重い
スラットが重く感じるなら、スプリングというバネがゆるんでいる可能性があります。このスプリングは、シャッターを開け閉めする際に必要となる力が少なくできるようなバネの構造になっている部品です。
シャッター設置当初は、バネも新しいため開け閉めに必要な力が少なくて済みます。しかし使い続けているうちにバネがゆるんでしまうため、開け閉めに必要な力が必要になってきてしまいます。
【その2】開閉時に「ギギィーッ」という音がする
シャッターを開け閉めするとき「ギギィーッ」というような変な音がするなら、潤滑油不足の可能性があります。シャッターを開け閉めする際、スラットがガイドレールを通り動きます。このとき、潤滑油が十分ならスムーズに通り、開け閉めすることができます。
しかし潤滑油が切れているときは、こすれるような音が発生し、きしんでしまいます。このまま使用を続けてしまうと、シャッターの劣化を早めてしまうため、潤滑油を補填しましょう。
【その3】シャッタースラットの歪みやへこみ
スラットが歪みやへこみなど変形する原因で一番多いのが、車や物をぶつかってしまうことです。また強風が原因で歪んでしまうこともあります。歪んだり凹んでいるスラットを無理に開け閉めしてしまうと動かなくなってしまうことがあります。
【その4】シャッタースラットが左右非対称
シャッターが斜めになってしまい、開け閉めしづらいなら、フラットが何らかの原因でズレたり変形している可能性があります。このように左右対称になっていない場合は、巻き取りシャフトがスラットを巻き上げる際、負荷がかかります。そのまま使用していると、開け閉めができなくなってしまうでしょう。
【その5】シャッタースラットのサビや腐食
シャッターは金属製ものほとんどのため、雨などで濡れることでサビが発生します。そのサビが広がってしまうとスムーズに動かすことができなくなり、スラットが重くなってしまいます。
また発生したサビを放置してしまうと最悪の場合、穴があいてしまうこともあります。サビの発生を見つけたら、市販のサビ取り剤を使用して対処しましょう。
自分でできる応急処置3ステップ
シャッターの調子がおかしいと思ったら、次のことを試してみましょう。ここからは、自身でできる応急処置についてご紹介します。
【ステップ1】ガイドレールを掃除してゴミを除去
ガイドレールとは、シャッターを開け閉めするときにスラットが通るレールです。このレールは溝になっているため、ほこりやゴミがたまりやすくなっています。ガイドレールの掃除をおこなうには、雑巾、柔らかいブラシを使用します。汚れがひどいときは、中性洗剤を使用するとよいでしょう。
《手順》
- ガイドレールの溝にたまったゴミをブラシでかき出す
- レール内を水洗いする(直接水洗いできない場合は、濡らした雑巾で拭き取る)
- 乾いた雑巾で、しっかりと水気を拭き取る
水洗いをするときは、窓をしっかり閉めてからおこないましょう。また水気が残った状態で放置してしまうとサビが発生してしまいます。せっかく掃除をしてもサビ発生の原因をつくってしまっては意味がありません。水気は、しっかりと拭き取りましょう。
【ステップ2】シリコンスプレーを吹き付ける
シリコンスプレーは、表面に被膜を作り、滑りを改善させる働きがあります。そのためシリコンスプレーを使用するときは、掃除をすませてからおこないましょう。
掃除もせずにスプレーしてしまうと汚れやゴミがついた状態で膜を張ってしまうことになります。使用する部分は、ガイドレールやフラットです。
シリコンスプレーするときは、火の気のない場所でおこないます。スプレーを吸引してしまうと、人体に害があるためマスクをつけておこないましょう。
またレール部分にスプレーするときは、地面にスプレー剤がかからないよう、レール部分以外は、新聞紙などを敷きましょう。地面にスプレー剤が付くと大変滑りやすくなってしまうおそれがあるため注意が必要です。
【ステップ3】シャッターの動きをチェック
シリコンスプレーをしたら、動作確認をおこないます。もし改善できていない場合は、シャッタースラットが原因ではなく、シャフト部分の不具合かもしれません。
それでも直らない場合はシャフトに問題!
掃除やシリコンスプレーを使用しても直らない場合は、シャフトがゆるんでいる可能性があります。シャフトとは、スラットを巻き上げるときの芯となる部分です。シャフトがある場所は、シャッター上部のケース内にあります。
しかしシャフトは素人が修理するのが難しく、無理におこなおうとすると指を挟んでしまうといったケガをするおそれがあります。そのため、業者に依頼して対処することをおすすめします。
サビや腐食を防ぐためにはペンキ塗装が効果アリ!
シャッターは、経年劣化によって塗装が剥がれたり、サビが発生することがあります。そんなサビや腐食したシャッターは、ペンキ塗装をすることで見栄えをよくすることができます。またペンキ塗装することで、サビや腐食を防ぐことができます。
シャッターのペンキ塗装は、DIYすることができます。DIYでのペンキ塗装は、次のような手順でおこないます。
《準備するもの》
- 軍手(作業時に手にペンキがつかないために使用します)
- 養生テープ(ペンキを塗る部分を保護します)
- 刷毛やローラー(ペンキを塗るときに使用します)
- サビ止め塗料(サビが発生しないようにペンキを塗る前に使用します)
- ペンキ(水生のウレタン塗料)
- 脚立(高い位置をペンキで塗るときに使用します)
《手順》
- シャッターのサビや汚れを取り除く
(サビが発生しているときは、サンドペーパーを使用してサビをキレイに落としておく) - 水洗い
- 塗装部分以外を養生テープでマスキングする
- サビ止め塗料を上から下に塗る(下塗り)
- サビ止めが乾いたら、ペンキを上から下に塗る
- ペンキをもう一度、上から下に塗る
作業をおこなうのは、風のない日におこなうと塗ったばかりのペンキにゴミがくっつくのを防ぐことができます。作業をおこなうときは、塗料が皮膚に付かないよう汚れてもよい長袖、マスクを着用しましょう。
2回目のペンキを塗るときは、下塗りしたペンキが乾いてから塗ります。下塗りが乾く時間は、ペンキを塗る厚さや天気、風向きなどが関係します。おおまかな目安として4時間はあけることをおすすめします。
DIYは、業者に依頼するより低コストです。しかし塗料以外にも、必要なものをそろえなければなりません。また慣れてない人がおこなうと、塗りムラができてしまい見栄えが悪くなってしまう可能性があります。
シャッタースラットを長持ちさせる方法
シャッターを長持ちさせるためには、スラットのメンテナンスが大切です。ここからは、シャッタースラットを長持ちさせるために大切なメンテナンス方法や定期点検についてご紹介します。
シャッタースラットの寿命は年数と使用頻度で決まる
シャッタースラットの寿命は、およそ10年です。この寿命は、シャッターの種類によって大きく異なります。
例えば木造建物に使用されている「窓シャッター」や「軽量シャッター」は、耐用年数10年程度、耐用回数7,000回として設計されています。軽量シャッターの設計では、耐用年数10年程度、耐用回数5,000回です。
1日に何回も開け閉めするなら、10年経たないうちに修理が必要となる場合があります。シャッターの寿命は、あくまでも目安として考え、使用の際の重さや異音などから判断する方がよいでしょう。
大事なのは日ごろのメンテナンス
シャッターは、ある日突然動かなくなることよりも徐々に劣化していることの方が多いです。日ごろからメンテナンスをおこなうことで、より長く使用することができます。自身でできるメンテナンスについてご紹介します。
- 車や物をぶつけないよう注意する
- 日ごろから掃除をする
- シリコンスプレーを噴霧する
- 年に1~2回は大掃除をする
このように普段から注意して使用するだけで、シャッターの寿命は長くなります。また、調子が悪いときは、業者に点検してもらうというのもおすすめです。
「定期点検」をしてもらえば安心
長く使用するには、定期点検をおすすめします。定期点検は、業者がおこなう点検です。点検内容は、項目にそってシャッターボックスの内部からスラット、レールをチェックします。その結果、まだ症状として出ていない部分の不具合も修理することができます。これなら安心してシャッターを使用することができますね。
異常に気付いたらすぐ対処
シャッターの異常は、ある日突然動かなくなる場合だけでなく、小さな不具合が大きな異常に繋がっていることがあります。
そのため「いつもよりも開閉がしづらいないな……」と感じたら、そのまま使い続けるのではなく、業者に点検を依頼することをおすすめします。早めに点検し修理をおこなうことで、大きな問題が起こることを防げるでしょう。
シャッタースラットを交換する場合
シャッターを修理をしても改善されないときは、新しいシャッターに交換してはいかがでしょうか。最近のシャッターは、機能的でおしゃれなものがたくさんあります。ここからは、シャッターを交換する際のメリットやさまざまな機能を持つシャッターについてご紹介します。
シャッタースラットを交換するメリット
シャッタースラットは、全面交換だけでなく部分交換をすることができます。部分交換するメリットは、経済的であることです。シャッタースラットが部分的に凹んでいる、一部だけ腐食しているなら、部分交換をしてみましょう。
交換するならこんな機能があると便利
機能的なシャッターなら、毎日の使用がとても便利です。便利な機能を持つシャッターをご紹介します。
・耐風機能
台風のような強い風が吹いても歪みにくいのが特徴です。
・軽量タイプ
材質がアルミ製であるためとても軽いのが特徴です。
・障害物感知タイプ
シャッターを閉める際、フラットが物に接触すると自動で止まるため万が一の事故を防ぐことができます。
・消火や救助活動を妨げないタイプ
このタイプは、一般家庭よりも大型施設向きのシャッターです。火災が起きたとき、壁に設置した送水口に消火栓を繋ぎます。ホースから出る水の圧力によって、スイッチを押すことでシャッターを開けることができます。
このシャッターを設置していれば、無人であってもシャッターを開けて消火活動や救助活動をおこなうことができます。
シャッタースラット交換費用相場
スラットの交換費用は、手動式であればおよそ15万円から、電動式なら25万円からが相場です。これらは、シャッターの大きさにより違ってきます。鍵付きのシャッターであれば鍵交換の費用、およそ2万円が別途必要となります。
また交換作業時に足場を設置する必要がある場合は、足場代としておよそ2万円が別途かかることがあります。
交換前にはプロによる現地調査を利用しよう
シャッターを交換するときは、まずいくつかの業者に見積りを依頼してみましょう。定期点検についても聞いておくことをおすすめします。そして見積書に書かれた金額や作業内容によって、どこに依頼するかを決めるとよいでしょう。
しかし慣れていないと見積書に書かれている内容がわからないときがあります。そんな時は、遠慮せず質問をしてみましょう。わかりやすく親切に説明してくれるというのもひとつの判断基準です。
まとめ
シャッターは、家を守ってくれる大切なものです。しかし寿命は、一般的に約10年とされています。何年も使用をしていると、シャッタースラットに車をぶつけてへこませてしまったり、ほこりやゴミがたまってしまったり、サビが発生してしまうことがあります。
シャッターを長く使用したいなら、日ごろからメンテナンスをしっかりおこなうことが大切です。
もしも開閉しにくいといった不具合があるなら、無理に使い続けるのはおすすめできません。シャッターの調子が悪いなら早めに対処することで、部分交換が可能です。シャッターの修理・交換を検討の方は、一度業者に相談してみるとよいでしょう。