シャッターがあると防犯効果が高いことは知っているけど、賃貸住宅だからムリと諦めてしまっていませんか。実はシャッターは賃貸住宅であっても、大家から許可が出ればシャッターを取り付けることができます。
シャッターのタイプは大きく分けて手動式、電動式があります。デザインやカラーも選ぶことができ、光や風を通す機能的なシャッターもあります。自宅に取り付けるには、どれがよいのでしょうか?
このコラムでは、シャッターの取り付けに関するお金のことから、失敗しないためのポイントについてご紹介します。
目次
【賃貸】アパート・マンションの窓にシャッターをつけたいとき
シャッターをつけていると雨や風対策だけでなく、防音や防火にも効果があります。それだけではなく防犯対策としてとても優れています。
「平成29年警視庁の住宅を対象とした侵入窃盗の発生状況」によると、住宅への侵入口は次のような場所からでした。
住宅対象侵入窃盗の侵入口
窓(ベランダ含む)からの侵入・・・61.3%
出入口からの侵入・・・・・38.7%
侵入手段
・一戸建ての場合
ガラス破り・・・・21.7%
鍵の閉め忘れ・・・78.3%
・中高層住宅
ガラス破り・・・・6.9%
鍵の閉め忘れ・・・86.2%
鍵を開けて侵入・・6.9%
侵入口となる部分にシャッターを閉めることで、ガラス破りを防ぐことができ防犯効果が上がります。また金属製のシャッターは、隣家で火災が起きたとき、窓ガラスを守るのにも役立ちます。
しかし賃貸住宅にシャッターをつけたい場合は、勝手に取り付けることはできません。必ず大家さんに許可を取る必要があります。
戸建ての賃貸であれば、大家からの許可がおりれば取り付けが可能です。しかしマンションやアパートといった集合住宅の場合は、ベランダや廊下側の窓に取り付けたいと思っても難しいかもしれません。なぜならベランダや廊下は共有部分であるからです。
注意しなくてはいけないのが、大家に無断で取り付けることです。場合によっては、損害賠償を請求されることがあります。絶対にやめましょう。
大家から許可が出たとしても取り付ける費用は、借主が負担しなければならない可能性があります。賃貸住宅には退去時に原状回復しなければならないこともあるようです。
シャッターを取り付ける場合は、費用の負担や原状回復が必要かどうかを、必ず、大家さんに事前に確認しておきましょう。大家からシャッターの取り付け許可がおりたら、シャッターを後付けしてみよう。
大家からシャッターの取り付け許可がおりたらシャッターを後付けしてみよう。
どんなシャッターがあるの?
シャッターには大きく分けて、手動式と電動式の2つがあります。この2つには次のような特徴があります。シャッターを選ぶときの参考にしてみましょう。
電動シャッターと手動シャッターの違い
電動と手動シャッターのメリットとデメリットをご紹介します。
《メリット》
・電動式
リモコンやスイッチなどで開け閉めすることができるためとても楽です。タイマーセットができ、設定時間になると自動で開け閉めすることができるものもあり、留守をしていることが周囲に気づかれにくく便利です。停電時などは、手動で開け閉めできるので閉じ込められることはありません。
・手動式
手で開け閉めするため、電気代などがかかりません。また本体価格も電動式と比べると安く済みます。
《デメリット》
・電動式
手動式と比べると、電気代がかかるだけでなく、本体価格や工事費用も手動式と比べると高くなります。また自動で開閉するので、小さな子どもがいる家庭では子どもが下りてくるシャッターに挟まれないかといった注意をしなければなりません。
そのほかにもシャッターが故障しないように、開閉位置に植木鉢などの障害物がないかといったことが必要になるでしょう。電動式のシャッターが故障した場合、修理費用は手動式と比べると高くなります。なお電動式シャッターは、停電時の使用はできません。
・手動式
手動で開け閉めしなければならないため、負担がかかってしまいます。メーカーや型式にもよりますが、電動と比べると故障する頻度はやや多くなります。しかし修理費用は、電動式と比べると安く済みます。手動シャッターは、停電時でも使用することができます。
シャッターを取り付けるなら、取り付け場所や目的にあったものを選ぶとよいでしょう。
シャッターの種類
シャッターには、いくつかのタイプがあります。それぞれのタイプについて特徴をご紹介します。
・クローズタイプ
従来の雨戸のようなタイプです。シャッターを閉めることで、窓を完全に覆ってしまうタイプです。クローズタイプのシャッターを閉めると、ほぼ完全に遮光されます。また風通しもありません。
・スリットタイプ
シャッターの表面に、切れ目が入っているタイプです。切れ目部分から採光ができ、風通しもあります。この切れ目は、シャッターの全面に入っているものや上部や半分だけに入っているものがあります。
・ブラインドタイプ
ブラインドカーテンのシャッター版のようなものです。ブラインド部分の羽の角度を調節することが可能です。シャッターを閉めていても、外からの採光や風通しを調節できます。
シャッターの選び方2つのポイント
シャッター後付けするとき、どのようなことに気を付ければいいでしょうか。選ぶときのポイントについても抑えておきましょう。
シャッターといえば防犯
シャッターは、窓や出入口からの侵入を防ぐことができるため防犯にとても役に立ちます。なぜならシャッターには、外からは開けにくい仕組みになっているからです。
もし空き巣が、シャッターが閉まっている家に侵入しようとした場合、シャッターと窓の両方を開けなければならないため時間がかかってしまいます。空き巣にとっては、侵入に時間をかけることは誰かに見つかる可能性が高くなるため、空き巣にとっては命取りです。
そのため空き巣はシャッターの閉まっている家を避ける傾向があります。そのほかにもシャッターは、防音や夜間家の中が外に見えてしまうといったプライバシーを保護することもできるため住んでいる人にとっては、一石二鳥なのです。
見た目も大切
防犯が目的のシャッターでも、見た目にもこだわりたいと思う方も多いのではないでしょうか。従来と比べ、最近のシャッターはデザインもよく、おしゃれなものが多くあります。外観を損ねないよう外壁や家のイメージに合うような色を選ぶとよいでしょう。
シャッターの取り付けにかかる費用相場
取り付けにかかる費用は、シャッターの種類によって大きく違いがあります。シャッターのタイプ別にわけて、それぞれの相場についてご紹介します。
おおよその料金
・従来の雨戸のような引き戸タイプ
1か所あたりの相場は2~15万円が相場です。シャッター本体価格は、一番安いです。しかし後付けで取り付ける場合は、シャッター用のレールやシャッターを収納するための戸袋も設置が必要になります。これらすべての工事が必要であるため、取り付け場所によって金額が違ってきます。
・手動式シャッタータイプ
1か所あたりの相場は6~16万円が相場です。シャッター本体価格は、雨戸と電動式の中間です。取り付け場所によっては、下地材が必要な場合があります。下地材を使用した場合は、追加料金が必要になります。
・電動シャッタータイプ
1か所あたりの相場は10~35万円が相場です。シャッター本体価格は、雨戸タイプ、手動式タイプの中で一番高くなります。また電気工事が必要のため、取り付け工事の費用も高くなります。
これらの本体価格のほかにも、取り付け場所の階数が2階以上であれば、足場の設置も必要になります。その場合は、足場の費用もかかってくるでしょう。
シャッター取り付け費用を抑えるには?
費用をなるべく抑えたい場合は、機能的にシンプルなものを選びましょう。デザイン性よりも機能性を優先することもポイントです。
機能性とは、電動式など便利な機能ではなく、さびにくく丈夫な素材のものということです。価格ばかりを優先させてしまうと、すぐに錆びたり劣化が早いものを選んでしまうことがあります。
そうなると取り付けて何年も経たないうちに修理の必要がでてきてしまう場合があります。結果的には、かえって高くなってしまいます。
賃貸住宅でシャッターを取り付けるなら失敗しないように!
自身の持ち家であれば、DIYで取り付けてもいいでしょう。しかし賃貸の場合は、小さな傷であっても借主が修理をしなければなりません。
DIYで安く取り付けたとしても退去時の原状回復で壁の修理代を請求されてしまっては、結果的に高くついてしまいます。賃貸の場合は、無理をせず、プロである業者に依頼しましょう。
信頼できる業者を選ぶこと
シャッターの取り付けは、家の壁などに取り付ける工事となります。信頼できる業者であるかを見分けるには次のようなポイントがあります。
- 明確な料金体制がある
- 見積内容がしっかりしている
- アフターサービスやメンテナンスのサービスがある
- こちらの要望を聞いてくれ、しっかり説明してくれる
このように賃貸住宅に取り付ける場合は、退去時の原状回復についても視野に入れ、丁寧な工事をしてくれる業者に依頼をしましょう。
まとめ
シャッターは、防犯対策にとても優れています。空き巣の侵入口となる窓や出入口をシャッターを閉めておけば、侵入されることがほぼないといってもいいでしょう。なぜならシャッターは、外からは開けにくい仕組みになっているからです。
もし空き巣が、侵入を試みたとしてもシャッターと窓を開けなければならず時間がかかります。空き巣にとって、シャッターの閉まっている家は、避けたい家といってもいいでしょう。そのほかにもシャッターは、防音や防火、プライバシーの保護にも役立ちます。
シャッターは、後から取り付けることは可能です。しかし賃貸住宅に取り付けたい場合は、大家の許可が必要です。その場合、取り付ける費用は借主の負担になる場合があります。
さらには、退去時に取り外さなくてはならない場合もあります。シャッターを取り付ける際は、これらについても大家に確認しておきましょう。
シャッターは大きく分けて手動式と電動式の2つのタイプがあります。取り付けにかかる費用は本体価格と工事費用です。シャッターを安く取り付けたいなら、デザイン性よりも機能的にシンプルなものを選ぶとよいでしょう。
工事費を安くするためにDIYをすることはやめておきましょう。賃貸住宅の壁に傷をつけてしまったりすると、修理費を支払わなくてはならなくなります。取り付けるなら、信頼できるプロに依頼をしましょう。